涙目、ドライアイ
私たちの目は、涙によって潤いを保ち、外からのほこりや乾燥から守られています。
しかし、涙の流れが正常でないと、涙が溢れたり(涙目)、目が乾いたり(ドライアイ)して不快な症状が現れます。
ここでは、「涙道」について説明した上で、涙道が狭くなることで起こる「涙目」と、涙の量が減ることで起こる「ドライアイ」について解説します。
涙道とは
「涙道(るいどう)」は、目に流れ出る涙を鼻の中へと流し出す通り道です。
涙は目の表面を潤しながら、まばたきと共に目頭にある小さな穴「涙点(るいてん)」から排出されます。
そして、涙点から涙小管(るいしょうかん)、涙嚢(るいのう)、鼻涙管(びるいかん)を通って鼻に流れます。
涙道が正常に働くと、涙は目に溜まらず、スムーズに鼻へ流れていきます。
しかし、この通り道である涙道が詰まったり、狭くなったりすると、涙が上手く流れず、涙が溢れてしまう「涙目」や「鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)」などの症状が現れます。
涙道が狭くなる(涙目)とは
涙道が狭くなると、目から鼻への涙の排出が上手くいかず、涙が目から溢れ出てしまう状態になります。
この状態を「涙目(なみだめ)」と呼びます。
涙目は特に60歳以上の方に多く見られ、涙道の狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)が原因となります。
涙目の原因
加齢による涙道の狭まり
年齢を重ねることで、涙道が徐々に狭くなり、涙の通りが悪くなることがあります。
これにより、涙が溢れ出るようになります。
先天鼻涙管閉塞
生まれつき鼻涙管が塞がっていることもあり、赤ちゃんに見られる涙目の原因になります。
ほとんどの場合、成長と共に自然に治りますが、症状が続く場合は医師に相談しましょう。
炎症や感染
目や鼻の周辺で感染や炎症が起こると、涙道が腫れて狭くなり、涙が流れにくくなることがあります。
涙目の治療法
涙目の治療には、涙道を広げる処置や、涙道を洗浄して詰まりを取り除く方法が用いられます。
また、涙道が完全に閉塞している場合は、涙道に新しい通り道を作る手術が検討されることもあります。
涙目の原因や症状に応じた治療が必要ですので、気になる症状がある場合は、眼科での相談をおすすめします。
ドライアイとは
ドライアイは、目が乾燥して不快感を感じる病気です。
目の表面を覆う「涙の量」や「涙の質」に問題があると、涙がすぐに蒸発してしまい、目の潤いが不足して乾燥します。
ドライアイは年齢を問わず発症しますが、特にパソコンやスマートフォンを頻繁に使う高校生から中高年にかけて増えています。
ドライアイの原因
パソコンやスマートフォンの長時間使用
長時間画面を見ていると、まばたきの回数が減り、涙が蒸発しやすくなります。
これにより、目が乾燥してドライアイが進行します。
コンタクトレンズの使用
コンタクトレンズの装着により、目の表面が乾燥しやすくなることがあります。
特に長時間の装用は注意が必要です。
加齢による涙の減少
年齢を重ねると涙の分泌量が減少し、目が乾きやすくなります。
これにより、目の表面の潤いが失われやすくなります。
エアコンなどの空調
エアコンの風や乾燥した空気もドライアイの原因です。
空調が効いた部屋に長くいると、涙が蒸発しやすくなり、目が乾燥しがちです。
ドライアイの症状
目が乾いて異物感がある
目が乾燥してゴロゴロした感じが続くことが多いです。
目のかゆみや痛み
乾燥により角膜や結膜が刺激されてかゆみや痛みが生じます。
目の疲れや視力の低下
ドライアイが進行すると、目の疲れを感じやすくなり、一時的に視力が低下することもあります。
ドライアイの治療法
ドライアイの治療は、目の乾燥を防ぐことが基本です。
以下の方法が一般的です。
点眼薬の使用
涙に似た成分の人工涙液の点眼薬を使用して、目の表面を潤します。
ライフスタイルの改善
画面を長時間見る際は、定期的に休憩を取り、まばたきを意識的に増やしましょう。
また、加湿器を使って室内の湿度を保つことも効果的です。
コンタクトレンズの適切な使用
コンタクトレンズは、使用方法や時間を守り、目を休めることが大切です。
ドライアイは、日常生活の工夫や適切な治療によって症状が改善されやすい病気です。
症状が長引く場合や、目の不快感が続く場合には、眼科での診察を受けましょう。
最後に
涙道のトラブルや涙の量が原因で起こる「涙目」や「ドライアイ」は、目の不快感や生活の質に影響を与えます。
これらの症状は早期に治療や対策を行うことで改善されることが多いです。
当院では、涙目やドライアイに関する診療も行っておりますので、気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。