緑内障とは

緑内障（りょくないしょう）は、目の病気の一つで、視神経がダメージを受けることで視力が徐々に低下していく病気です。
視神経は、目から脳に視覚情報を伝える重要な役割を担っており、これが正常に機能しないと視野が欠けたり視力が低下する原因になります。
特に緑内障の怖いところは、進行がゆっくりで気づきにくく、知らない間に視野が狭くなってしまう点です。

緑内障は早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。進行を抑えるためには定期的な検査と適切な治療が必要です。
このページでは、緑内障の症状や原因、種類、治療法について詳しくご紹介します。

緑内障の症状について

緑内障は「視野」が徐々に狭くなる病気です。
しかし、初期段階では自覚症状がほとんどないため、症状に気づくことが難しい場合が多いです。
以下に緑内障の主な症状をまとめます。

視野の一部が欠ける

視野の端から徐々に見えなくなる「視野欠損」という症状が現れます。
視野が欠けていることに気づきにくいため、日常生活での支障が出るまで気づかないこともあります。

目の痛みや頭痛

急激に眼圧が上がると、目の痛みや頭痛、吐き気などを伴うことがあります。
この場合は、特に「急性緑内障」と呼ばれるタイプで、緊急性が高いため早急に眼科を受診する必要があります。

視力が低下する

進行すると視力が低下し、物が見えにくくなります。
特に夜間や暗い場所での見え方に影響が出る場合もあります。

早期の段階で緑内障を発見するには、定期的な眼科での検査が重要です。
視野検査や眼圧検査などにより、緑内障の進行状況をチェックすることができます。

緑内障の原因について

緑内障の主な原因は「眼圧（がんあつ）」が高くなることです。
眼圧とは、目の中の圧力のことを指し、眼圧が高まると視神経が圧迫され、ダメージを受けやすくなります。
以下のような要因が緑内障の原因として挙げられます。

眼圧の上昇

目の内部には房水（ぼうすい）という液体があり、常に循環しています。
この房水が何らかの理由で正常に排出されなくなると、眼圧が上昇しやすくなり、視神経が圧迫されます。

加齢

緑内障は加齢と共に発症リスクが高まる病気です。特に40歳以上の方に多く見られます。

遺伝的要因

家族に緑内障の患者がいる場合、発症しやすい傾向があるとされています。
遺伝的な要因も考慮し、定期的に検査を受けることが大切です。

その他の病気

糖尿病や高血圧、動脈硬化といった他の病気も緑内障のリスクを高めるとされています。

緑内障の病気の種類について

緑内障には、いくつかの種類があり、それぞれ発症の仕方や治療法が異なります。
主なタイプを以下にご紹介します。

原発開放隅角緑内障（げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう）

最も一般的な緑内障で、房水の流れが少しずつ悪くなることで眼圧が上昇し、視神経にダメージを与えるタイプです。
進行が非常にゆっくりで、初期段階ではほとんど症状がありません。

閉塞隅角緑内障（へいそくぐうかくりょくないしょう）

突然眼圧が急上昇し、強い目の痛みや頭痛、吐き気を引き起こす急性型の緑内障です。
緊急治療が必要なため、症状が出た場合は速やかに眼科を受診する必要があります。

正常眼圧緑内障（せいじょうがんあつりょくないしょう）

眼圧が正常な範囲にあるにもかかわらず、視神経が徐々にダメージを受けるタイプの緑内障です。
原因ははっきりしていませんが、日本ではこのタイプの緑内障が多く見られます。

続発緑内障（ぞくはつりょくないしょう）

他の病気やケガ、薬の影響で眼圧が上がり、それによって緑内障が発症するものです。

緑内障の治療法

緑内障の治療には、主に以下のような方法があります。治療は、進行を抑えることを目的としています。

点眼薬による治療

眼圧を下げる効果のある点眼薬を使用し、眼圧をコントロールします。
毎日の点眼が重要で、医師の指示に従って使用を続けることで進行を遅らせることが期待されます。

レーザー治療

レーザーを使って房水の排出を促す治療法です。
軽度から中程度の緑内障の場合に適用されることが多く、点眼薬では十分に効果が出ない場合に考慮されます。

手術による治療

点眼薬やレーザー治療が効果を示さない場合、手術を行って房水の流れを改善し、眼圧を下げる方法です。
手術の種類や適用は患者の症状により異なりますが、進行を抑える効果が期待されます。

生活習慣の改善

規則正しい生活や健康的な食生活を心がけることも緑内障の進行抑制に役立つとされています。
例えば、定期的な運動や食事の改善で血流が良くなり、目への負担が軽減されることが期待されます。

最後に

緑内障は進行性の病気であり、完治は難しいとされています。
しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで視力の低下を防ぐことが可能です。
40歳を過ぎた方や家族に緑内障の方がいる場合は、定期的に眼科での検査を受けることをお勧めします。
当院では緑内障の検査・治療も行っておりますので、気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。